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簡単に考えていた結果 禁固刑の判決

  • 2008年10月27日(月)
今日は防火管理研修会にて、札幌消防局の特別機動査察隊長さんのお話です。

写真や映像をたくさん引用して下さったので印象に強く残りました。
たとえば ビルの階段の一角にビールを入れるプラスチックのビールケースを置いて
 火をつける実験映像。
火をつけてから14分後には周りの視界がゼロになるくらいの真っ黒な煙に覆われてしまう映像です。(灯油やガソリンをかけていない状態です)

当然階段ですからその煙は上の階へと一瞬のうちに上がって行きます。
上の階では一旦天井付近まで上がった煙がまたすぐに下に降りて視界がゼロになります。この状態で煙を吸うとCO中毒に陥ります。頭で理解しているつもりでも全然理解できていなくて、実際の映像を見て初めてその恐ろしさを理解したつもりになります。でもまだ本当の恐ろしさをわかっていないように思います。わからずに済むのが一番です。

昨年1月に起きた宝塚のカラオケ店火災の判決については、
「店にただ一人で働いていて失火したアルバイト店員は1年6ヶ月の禁固刑、
経営者兼店長は4年の禁固刑に処された」。

4月に起きた札幌のソープランド江戸城の火災は未だ刑事捜査の真っ最中。

ついこの前10月に起きた大阪の個室ビデオ店に関しても
「1階は避難階という定義をしていた我々消防関係者にとって、
避難階で16名も亡くなったことが衝撃でした」

2001年の新宿歌舞伎町の雑居ビルも プレハブ倉庫を2個重ねたくらいの小さなビルだったのに、放火により44名も死者を出した火災でしたが 
階段に燃えやすいものが置かれていたことを
「放火を誘発した」として
各階の店長それぞれが実刑判決を受け、ビルオーナーは禁固3年の量刑、その他に罰金も科せられた判決だそうです。
防火扉の前に障害物を置いててたため 閉まるのを妨害したことも 
「結果回避義務不履行」という理由で罰せられました。

この歌舞伎町の火災を教訓に改正された消防法では
消防吏員に 行政処分を持って指導できる権利を付与していますが、
相次ぐ小規模雑居ビルの火災で
その消防局にも「査察において是正命令を出せるにも関わらず出していない」という責任が厳しく問われるようになったそうです。

災害心理については 物理的問題(逃げ道がない場合)と
心の問題があって、心の問題は我先に早い者勝ちの災害心理がパニックを引き起こすことを指摘されていました。
これに関しては避難誘導する人が女性や子どもや老人など
災害弱者を優先させるなどして 災害心理をうまくコントロールできればパニックは防げるそうです。日頃のマニュアル化、訓練による落ち着きが物を言うということでしょう。

逃げ遅れが何故起きるのかということに関しては
「世の中は安全」「自分は災害に巻き込まれない」という正常性バイアスという
思い込みが原因していて、火災を報せるベルが鳴っても「誤報だろう」と言って
動かない心理がほとんどの人にあって、これが逃げ遅れの要因ですって。
確かに私も思い当たることがあります。

長くなりましたが 防火管理者や防火対象物の管理権限責任者の方には身近なことだろうと思い書きました。

実際 避難階段に無意識に物を置いているお店やホテルって、結構ありますよね。

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